脳・髄(読み)なずき

精選版 日本国語大辞典 「脳・髄」の意味・読み・例文・類語

なずき なづき【脳・髄】

〘名〙
① 脳・脳髄・脳蓋(のうがい)などの称。
※新訳華厳経音義私記(794)「髄脳 上須年(すね)、下奈豆技(ナヅキ)
曾我物語(南北朝頃)一〇「戦場の石に、なづきをくだきてうせにき」
② 転じて、頭(あたま)。〔文明本節用集(室町中)〕
浄瑠璃・安口の判官(1637)四「いたづら人にかかはり、うへなきいのちうしなはんよりも、なつきをさげてかうさんせよ」
[語誌](1)「新撰字鏡」に「髄〈略〉骨中脂也 保祢乃奈豆支」、「観智院本名義抄」に「髄〈略〉ナツキ ホネノナカ」とあるので、骨髄の意味ももっていたか。
(2)「出雲国風土記」の「脳嶋」「脳磯」という地名の借訓例から、この語は上代から存在したとみられる。やがて「ナヅキを(つき)くだく」という慣用句のなかにほぼ限定されて使用され、①の「脳髄」から②の「頭」の意味に移行したと推定される。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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