脳内出血(読み)のうないしゅっけつ(英語表記)intracerebral hemorrhage

精選版 日本国語大辞典 「脳内出血」の意味・読み・例文・類語

のうない‐しゅっけつ ナウナイ‥【脳内出血】

〘名〙 脳の内部に起こった出血脳出血脳卒中
瀕死青春(1957)〈井上友一郎〉五「どうやら脳内出血の疑いがあるというので」

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改訂新版 世界大百科事典 「脳内出血」の意味・わかりやすい解説

脳内出血 (のうないしゅっけつ)
intracerebral hemorrhage

脳内における出血をいい,一般に脳出血とか脳溢血(のういつけつ)といわれるものがこれにあたる。最も多いものは高血圧性脳内出血である。そのほかにも種々の原因で起こりうるが,頻度は低い。突然,頭痛,吐き気嘔吐などで始まり,意識障害をきたし失禁痙攣けいれん)などを伴うことが多い。部位的にみると大脳半球の基底核部,とくに被殻の出血(外側型)が最も多い。病変と反対側の半身麻痺と知覚障害がみられ,共同偏視(左右の眼球が病変側へ向く),失語などをみることもある。外側型出血以外に視床の出血(内側型),小脳出血,橋(きよう)出血などがある。脳コンピューター断層撮影は診断上きわめて有用である。脳内出血は脳梗塞(のうこうそく)と比べて重症例が多く,その予後も不良である。治療は内科的全身管理とリハビリテーションを行うが,近年外科的治療の適応も広がって救命率もあがり,とくに小脳出血では手術により救命率が著しく改善した。
脳卒中
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世界大百科事典(旧版)内の脳内出血の言及

【髄液】より

… 髄液圧は,脳腫瘍,髄膜炎,水頭症などで上昇する。髄液の外見や細胞成分も重要で,脳内出血では血性となるが,乏血性梗塞(こうそく)ではならない。また化膿性髄膜炎では好中球がより増加し,ウイルス性あるいは真菌性髄膜炎ではリンパ球がより増加する。…

※「脳内出血」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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