腎不全・尿毒症(読み)じんふぜんにょうどくしょう

食の医学館 「腎不全・尿毒症」の解説

じんふぜんにょうどくしょう【腎不全・尿毒症】

《どんな病気か?》


〈腎臓の働きが低下し、毒素が体にたまる〉
 腎不全(じんふぜん)とは、腎臓(じんぞう)の機能が低下した状態で、急性と慢性があります。
 急性腎不全は、大出血ややけど、ひどい下痢(げり)嘔吐(おうと)などにより、体液や電解質が大量に失われて起こります。
 一方、慢性腎不全は、長期にわたって徐々に腎臓の働きが低下します。
 初期は自覚症状がとぼしいのですが、進行すると尿毒症になります。
 尿毒症とは、腎臓の働きが極端に落ちたために、尿の中に排泄(はいせつ)されるべき老廃物が、体の中にたまってしまう状態です。むくみ、嘔吐、倦怠感(けんたいかん)、食欲不振、頭痛、呼吸困難、貧血、かゆみなどの症状が現れます。

《関連する食品》


〈有用細菌をふやす食物繊維が有効〉
○栄養成分としての働きから
 腎不全の治療の中心は、安静と食事療法です。食事療法は、進行の度合いなどでかわるので、医師の指示にしたがって正しく行いましょう。
 腎不全や尿毒症に有効な成分は、腎疾患全般に有効なIPAやグリシニンのほかに、食物繊維があります。
 食物繊維には腸内の有用細菌群をふやす働きがありますが、その有用細菌がアンモニア生成を抑えるためと考えられます。血中尿素が減少すれば、尿毒症の症状も緩和されます。
 ただし、腎不全ではカリウムが制限される場合が多いので、食物繊維が豊富な食品でも、カリウムを含む食品は避けます。野菜などは、ゆでてから水にさらし、カリウムを流出させてからとるようにします。

出典 小学館食の医学館について 情報

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