臧克家(読み)ぞうこっか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「臧克家」の意味・わかりやすい解説

臧克家
ぞうこっか / ツァンコーチャ
(1905―2004)

中国の詩人山東(さんとう/シャントン)省諸城県出身。1923年済南(さいなん/チーナン)の省立第一師範を経て、武漢(ぶかん/ウーハン)の中央軍政学校に進学。北伐に参加し革命失敗後、青島(チンタオ)大学補修組に進み、34年山東大学を卒業。その間、聞一多(ぶんいった/ウェンイートー)の影響で詩作を開始。33年詩集烙印(らくいん)』で崩壊過程にある農村描写を基盤に置く人生詩人としての地位を確立。戦後、上海(シャンハイ)で『文迅(ぶんじん)』『創造詩叢(そうぞうしそう)』を主編。48年末、国民党政府の弾圧を避けて香港(ホンコン)に脱出。49年3月北京(ペキン)に到着。華北大学研究員、中国作家協会書記局書記、『詩刊』主編。詩集に『運河』(1936)、『泥土の歌』(1943)、『生命の零度』(1947)など。随筆に『学詩断想』(1962)。著作集『臧克家文集』(1985)などがある。

秋吉久紀夫]

『秋吉久紀夫訳編『中国現代詩集』(1962・飯塚書店)』『秋吉久紀夫著『変革期の詩人たち』(1964・飯塚書店)』『秋吉久紀夫訳編『精選現代中国詩集』(1994・土曜美術社出版販売)』

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改訂新版 世界大百科事典 「臧克家」の意味・わかりやすい解説

臧克家 (ぞうこくか)
Zāng Kè jiā
生没年:1905-2004

中国,現代の詩人。山東省諸城県の人。山東省立第一師範を経て武漢の中央軍政学校に入るが,武漢政府の崩壊とともに山東大学に学び,聞一多(ぶんいつた)の影響を受け詩作。抗日戦中は重慶で中華全国文芸界抗敵協会に従事,のち華北大学研究員,《詩刊》主編となる。詩集に《烙印》《運河》《泥土の歌》などがある。彼の作品の主題題材の特徴は,新旧軍閥統治下の崩壊過程にある農村と農民,それに小市民層にある。
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