自動料金収受システム(読み)ジドウリョウキンシュウジュシステム(英語表記)Electronic Toll Collection System

デジタル大辞泉 「自動料金収受システム」の意味・読み・例文・類語

じどうりょうきんしゅうじゅ‐システム〔ジドウレウキンシウジユ‐〕【自動料金収受システム】

イー‐ティー‐シー(ETC)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「自動料金収受システム」の解説

自動料金収受システム

自動料金収受システム。Electronic Toll Collection Systemの略。車に取り付けた車載器有料道路の料金所アンテナと交信し、通行料を自動的にクレジットカードから引き落とす。いちいち車を停止させることなく、ノンストップで料金所を通過することができることから、サービスが開始された2001年以来、普及が進んできた。09年3月28日には、政府景気対策として打ち出した、地方高速道路料金の一律1000円化(土日祝・ETC車のみ)がスタートし、普及にさらに弾みがついた。
ETCは、料金所付近の渋滞を解消するため、1995年に国土交通省(旧建設省)が研究開発に着手し、6年後には一般へのサービスが開始された。当初の利用率は1割にも満たなかったが、2009年3月の利用率は76.7%にのぼり、首都高速道路では80%を超えている。
ETCを利用するには、車に取り付ける車載器と、そこに挿し込むETCカードが必要だ。また、車載器は購入しただけでは使えず、車のナンバーなど車両情報を入力する「セットアップ」をセットアップ登録店でやってもらう必要がある。なにかと費用がかかるため、当初はあまり普及しないのではないかと懸念されていたが、助成制度が設けられたこともあり、消費者に割安感が出た。09年3月12日からは、2年以上の契約・支払い回数2回以上を満たし、アンケートに協力すれば、四輪車で5250円、二輪車で1万5750円の助成が受けられる。また区間や時間帯によっては、さまざまな割引制度が用意されている。
国土交通省は、ETCの普及により、渋滞緩和だけでなく、料金所周辺のCO2削減や経済活性化などプラスの効果がもたらされるとしているが、一方混乱も生じている。地方高速一律1000円が始まり、ETCを買い求める消費者が急増したため、車載器の品切れを起こす販売店が続出。また、都市部の高速道路は一律1000円の対象からはずれており、料金体系が複雑になったことから、徴収システムの対応が追いついていなかったり、高速道路会社への問い合わせが相次いだりした。

(高野朋美 フリーライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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