自業自得(読み)ジゴウジトク

デジタル大辞泉 「自業自得」の意味・読み・例文・類語

じごう‐じとく〔ジゴフ‐〕【自業自得】

仏語自分行為報い自分自身が受けること。一般に、悪業の報いを受けることにいう。自業自縛
[類語]身から出た錆付けが回る自縄自縛藪蛇

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「自業自得」の意味・読み・例文・類語

じごう‐じとく ジゴフ‥【自業自得】

〘名〙 仏語。自ら行なった行為はその報いを自分の身に受けなければならないということ。また一般に、自分の行為の結果を自分の身が受けること。自業自縛。
※愚迷発心集(1213頃)「自業自得の因果必然也」
※おたふく女郎粉引歌(1760)「泪をこぼして労(いたは)りたまへど、自業自得の罪科はのがれず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ことわざを知る辞典 「自業自得」の解説

自業自得

自ら行った行為の報いは自分自身が受ける。とくに悪事を行った者がその報いを受けるのは当然であることをいう。

[使用例] まあ怨むなよ。こんな手に出ざるをえなくしたのも、結局君の自業自得なんだから[三島由紀夫金閣寺|1956]

[解説] 因果応報思想にもとづくことば。「業」は行為、所作の意で、本来は、よい行いにも悪い行いにもいいましたが、今日では主として後者についていいます。

[類句] 因果応報身から出た錆

英語〕As you sow, so shall you reap.(播いた種は刈らねばならぬ)

出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報

四字熟語を知る辞典 「自業自得」の解説

自業自得

自らおこなった行為はその報いを自分の身に受けなければならないということ。また自分の行為の結果は自分自身で引き受けなければならないということ。

[使用例] まあ怨むなよ。こんな手に出ざるをえなくしたのも、結局君の自業自得なんだから[三島由紀夫*金閣寺|1956]

[使用例] いまの人も七八ツは若いんだっていうけれど、あんなに搾られて苦労しているのも自業自得だわ[幸田文*流れる|1955]

[解説] 自ら悪業を作り、自ら悪報を得る、という意味で、多く、悪事の報いを受けることについていいます。

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自業自得」の意味・わかりやすい解説

自業自得
じごうじとく

仏教用語。みずから行なった善悪の行為によって,本人自身がその報いを受けること。よい行為によってよい結果がその本人に生じ,悪い行為によって悪い結果がその本人に生じること。転じて,自分のしでかしたことだから悪い報いを得てもやむをえないということ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自業自得の言及

【業】より

…やがて時(基本的に来世)がいたればそれが順次に果報として結実し,同じ主体によって享受されて消滅する。自分の行為の結果は自分で享受することが原則で,これを〈自業自得〉といい,輪廻の主体としてのアートマン(自我)についての考察を推進させた。また,善業であろうと悪業であろうと,業は必ずや果報として享受されねばならない。…

※「自業自得」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android