自由診療(読み)ジユウシンリョウ

デジタル大辞泉 「自由診療」の意味・読み・例文・類語

じゆう‐しんりょう〔ジイウシンレウ〕【自由診療】

公的医療保険制度枠外診療を受けること。「保険診療」に対していう。保険適用外の新薬最先端医療を受けられるが費用自費となる。保険外診療。→混合診療

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自由診療」の意味・わかりやすい解説

自由診療
じゆうしんりょう

公的医療保険制度の適用範囲外の診療。保険外診療、保険給付外診療、自費診療ともいう。医療保険が適用される診療は保険診療あるいは保険適用診療とよばれ、治療費や看護料に限らず使用薬剤に至るまで保険適用範囲が細かく規定されている。加入する医療保険の種類によって異なるが、患者は診療にかかった費用の1~3割を負担する。自由診療では、保険適用外の高度な先進医療を受けたり、保険適用外の新薬を使用したりできるが、診療報酬に法的制限はなく医療機関が独自に決めることができ、その費用の全額が患者の負担となる。また保険診療と保険外診療を同時に受けることを混合診療とよび、従来の保険制度ではこれにかかる費用は保険診療で生じた医療費も含めてすべて患者の負担となっていた。

 しかし、先進医療の進歩は著しく、患者が高額な医療費負担に苦しむケースも増えてきたため、厚生労働省は2006年(平成18)より混合診療の一部を保険適用とする保険外併用療養費制度を整備し運用を開始した。この制度では保険診療は通常のように医療保険が適用され、保険外診療のうち「評価療養」および「選定療養」として保険適用が認められた診療にかかる費用の基礎的部分が、保険診療として医療保険から給付される。「評価療養」とは、先進医療や高度医療および医薬品医療機器等法(旧、薬事法)で承認されているが保険適用以前の医薬品・医療機器の使用などをいい、「選定療養」とは、差額ベッドや大病院の初診再診など患者自身が選んで受ける医療をいう。保険診療には従来より、患者負担上限額を定めた高額療養費制度が適用されるため、患者の医療費負担は二重に軽減されることになる。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android