デジタル大辞泉
「至」の意味・読み・例文・類語
し【至】
[接頭]時間・場所を示す名詞に付いて、行き着くところ、到達点を表す。「自六月至九月」「自成田至ホノルル」⇔自。
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いたり【至】
[1] 〘名〙 (動詞「いたる(至)」の連用形の名詞化)
※
源氏(1001‐14頃)明石「心のいたり少なからん
絵師は、かき及ぶまじと見ゆ」
② 物事の
極点に達すること。きわまるところ。きわみ。
極致。
※
書紀(720)神代下(兼方本訓)「其の誠欵
(まこと)の至
(イタリ)を陳
(まう)す」
※
徒然草(1331頃)二一九「
短慮のいたり、きはめて荒涼の事なれども」
③ ある事の結果、そうなるところ。
※浮世草子・傾城歌三味線(1732)一「今迄は若げの至(イタ)りと了簡して」
④ 気がきいていること。粋なこと。上品なこと。また、ぜいたくなこと。
※
咄本・鹿野武左衛門口伝はなし(1683)上「すこしいたりをいはんとおもひて」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「見へぬ所に結構をつくし、至りといふて
珍重がるべし」
[2] 〘語素〙
近世、さまざまな名詞の上に付けて用いられた。
① 非常に上等である、ぜいたくであるの意を表わす。「いたり茶屋」「いたり料理」など。
② 気のきいた、しゃれているの意を表わす。「いたり大尽」「いたり染め」など。
③ 下接する名詞の
程度のはなはだしいことを表わす。「いたり病
(やまい)」「いたり気質」など。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報