船小屋温泉(読み)ふなごやおんせん

日本歴史地名大系 「船小屋温泉」の解説

船小屋温泉
ふなごやおんせん

[現在地名]筑後市尾島

尾島の矢部おしまのやべ川沿いにある温泉。泉源は源泉温度摂氏一九・三度の掘削自噴泉で、鉄・二酸化炭素などを含む炭酸水素塩泉(中性低張性温泉)。「校訂筑後志」によると、尾島村の矢部川東古賀原ひがしこがばる石船などを収納する船小屋があり、水に触れた鳥や虫が死ぬため「雀の地獄」とよばれる鉱泉が湧き出していた。薬効があることを知り、文政一〇年(一八二七)新庄組が井戸を掘ったが、やがて洪水で破壊され、鉱泉場を堤の外に移したという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「船小屋温泉」の意味・わかりやすい解説

船小屋温泉
ふなごやおんせん

福岡県筑後市(ちくごし)の南端矢部川(やべがわ)右岸にある温泉。泉質は含鉄泉で、文政(ぶんせい)年間(1818~1830)の開発、明治以降左岸に新船小屋温泉みやま市瀬高(せたか)町地区)が開発され、四季を通じ湯治客を集めている。付近の「船小屋ゲンジボタル発生地」は国の天然記念物に指定されている。JR九州新幹線と鹿児島本線の筑後船小屋駅よりバスの便がある。

[石黒正紀]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「船小屋温泉」の意味・わかりやすい解説

船小屋温泉
ふなごやおんせん

福岡県南部,筑後市の南端,矢部川と松永川の合流点にある温泉。泉質は単純炭酸泉。泉温 25℃未満の冷泉。水郷景観と付近のハゼ紅葉,サクラ並木などが美しい閑静な温泉である。付近は天然記念物のゲンジボタル発生地で,対岸の大クスノキ林とともに矢部川県立自然公園の一中心。

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デジタル大辞泉プラス 「船小屋温泉」の解説

船小屋温泉

福岡県筑後市南端、矢部川北岸にある温泉。日本有数の含有量を誇る含鉄炭酸泉。対岸のみやま市に、新船小屋温泉がある。

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