色代(読み)シキダイ

デジタル大辞泉 「色代」の意味・読み・例文・類語

しき‐だい【色代】

《「しきたい」とも》
あいさつすること。会釈えしゃく
多くつはもの共の中を―に及ばず踏み越えて」〈義経記・四〉
おせじを言うこと。追従ついしょう
「―かひがひしく、この節違はぬを賞で感ず」〈梁塵秘抄口伝・一〇〉
色代納」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「色代」の意味・読み・例文・類語

いろ‐だい【色代】

〘名〙
遊女をあげて遊ぶ費用遊興費
浮世草子好色万金丹(1694)二「百年居喰にしても気遣ひのなき身躰を、二流の色代に費やして」
② (「いろ」は喪服の意の忌み詞) 葬式のとき、死者と生前特に親しかった人などが、香典以外に出す金銭

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改訂新版 世界大百科事典 「色代」の意味・わかりやすい解説

色代 (しきだい)

色代納の意で,租税年貢などをあらかじめ決められた品目以外の品で納入することをいう。色代のことはすでに1081年(永保1)の若狭守藤原通宗解にみえ,その中で通宗は調絹1疋を代米1石あるいは1石5斗で納入したいと述べている。色代納はこののち室町時代に至るまで行われるが,米穀の代りとして雑穀絹布またはその他の品を出す場合が多かった。色代納は,納入すべき品目が不足したため行われる場合もあったが,徴収する側あるいは納入する側が本来の品目と代納物との交換比率の高低を利用し利益を得ようとして行われる場合もあった。色代という言葉は,このほかに中世において,〈式体(しきだい)〉の意にも用いられている。すなわち,〈色代してしづしづと歩み〉(《平治物語》)のごとく頭を垂れて礼をすること,また〈色代にも御年よりは若く見え給ふといふはうれしく〉(《沙石集》)のごとく世辞追従の意に用いられている。
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