芝翫茶(読み)シカンチャ

デジタル大辞泉 「芝翫茶」の意味・読み・例文・類語

しかん‐ちゃ〔シクワン‐〕【×翫茶】

柔らかい赤茶色中村歌右衛門俳名芝翫)が好んで用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「芝翫茶」の意味・読み・例文・類語

しかん‐ちゃ シクヮン‥【芝翫茶】

〘名〙 染色一つ。やや赤みを持った栗梅色。江戸時代大坂歌舞伎役者三世中村歌右衛門(俳名、芝翫)が好んで用いた茶色。のち、ひろく婦女子の間に流行
歌舞伎・傾城筑紫𤩍(1814)三「正面に障子三枚入てある、上に芝翫茶(シクヮンチャ)暖簾

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色名がわかる辞典 「芝翫茶」の解説

しかんちゃ【芝翫茶】

色名の一つ。江戸時代の歌舞伎役者、三代目中村歌右衛門が好んで用いた茶色のこと。歌右衛門の俳名が「芝翫」であることから、この名がついた。やや薄く淡い茶色、またはみのある淡い茶色をいうこともある。江戸時代は歌舞伎役者が現代でいうスター的存在で、彼らの好むものが流行のきっかけとなった。色名では団十郎茶有名

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世界大百科事典(旧版)内の芝翫茶の言及

【歌舞伎】より

…中期における人気若女方2世瀬川菊之丞の〈路考茶〉,立役の初世尾上菊五郎の〈梅幸茶〉は,江戸中期の通(つう)の美意識にかなう渋い中に色気の漂う色彩であり,春信や清長の描いた美人画の中によく登場している。時代が下り,3世中村歌右衛門の〈芝翫(しかん)茶〉,初世嵐璃寛の〈璃寛茶〉は,この上方の2名優のひいきが対抗して争ったことから,非常な流行を示した。ほかに,5世市川団十郎の〈升花色〉,5世岩井半四郎の好んだ〈岩井茶〉,5世松本幸四郎好みの〈高麗屋納戸(なんど)〉なども流行した。…

※「芝翫茶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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