花やか・華やか(読み)はなやか

精選版 日本国語大辞典 「花やか・華やか」の意味・読み・例文・類語

はな‐やか【花やか・華やか】

〘形動〙 (「やか」は接尾語) 花の咲いたように、はでで、明るく美しいさま。きわだって目立つさま。
① 形や色彩などの、はでに美しいさま。きらびやか。
万葉(8C後)一二・二九九三「紫のまだらの蘰(かづら)花八香爾(はなやかニ)今日見し人に後恋ひむかも」
② 光りかがやいたり、反映したりして、美しいさま。
※能因本枕(10C終)一「夕日花やかにさして山ぎはいと近くなりたるに」
③ きわだっているさま。くっきりと、まぎれもないさま。
源氏(1001‐14頃)澪標「御髪いとをかしげに、はなやかにそぎて」
④ 声や音などの、はれやかに、はっきりしているさま。
※枕(10C終)八二「何がしさぶらふと、いとはなやかにいふ」
⑤ 香りなどのきわだって強いさま。
※源氏(1001‐14頃)帚木「げに其のにほひさへはなやかに立ちそへるもすべなくて」
勢力などがきわだって強いさま。栄えていてにぎやかなさま。
落窪(10C後)一「いとはなやかならざらむ女の、思ひ知りたらむが、かたちをかしげならむこそ」
徒然草(1331頃)二五「花やかなりしあたりも人すまぬ野らとなり」
態度、性格などがきわだって陽気で快活なさま。
※源氏(1001‐14頃)行幸「いとはなやかにうち笑ひ給ひて」
行為行動などがきわだっていて、人目を引くさま。
太平記(14C後)二九「花やかなる打物して、見物の衆の睡醒さんと」
はなやか‐げ
〘形動〙
はなやか‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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