朝日日本歴史人物事典 「花房端連」の解説
花房端連
生年:文政7.8.3(1824.8.26)
明治期の実業家。備中国(岡山県)岡田藩士徳田尚二の次男。岡山藩士花房義考の養嗣子。幕末に大坂蔵屋敷に勤務し藩財政に関与。明治初年岡山藩小参事,大参事。廃藩後,工部省鉄道寮に勤務。その後岡山に戻り,明治10(1877)年旧岡山藩主池田章政の出資を得て士族授産を目的に第二十二国立銀行を岡山に創立し頭取となる。13年岡山商法会議所初代会頭。14年池田の後援により岡山紡績所を開業。他方で岡山の士族の結社で児島湾の干拓を目指していた微力社の内紛を収めた。その後身の有終社は政府からの借入も受けて16年岡山紡績所を岡山紡績会社に改組した。22年初代岡山市長。郷学閑谷黌の復興や救貧院,感化院の設立にも尽力。息子の義質と直三郎は共に官僚として活躍した。<参考文献>『岡山市史』5,6巻
(阿部武司)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報