精選版 日本国語大辞典 「花橘」の意味・読み・例文・類語
はな‐たちばな【花橘】
〘名〙
① 花の咲いている橘。橘の花。また、橘の花を賞していう語。《季・夏》
※古事記(712)中・歌謡「我が行く道の 香ぐはし 波那多知婆那(ハナタチバナ)は」
③ 植物「やぶこうじ(藪柑子)」の異名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
※餝抄(1238頃)上「花橘、四五月晴着二用之一」
⑤ 薫物の名。〔尺素往来(1439‐64)〕
⑥ (「盧橘」とも) 香木の名。分類は真那賀(まなか)。香味は苦酸甘。六十一種名香の一つ。
※建部隆勝香之筆記(香道秘伝所収)(1573)「花橘(ハナタチハナ)、聞まなかの上、焼出しはやくつよく出申候而やがて失申候」
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