苦労(読み)クロウ

デジタル大辞泉 「苦労」の意味・読み・例文・類語

く‐ろう〔‐ラウ〕【苦労】

[名](スル)
精神的、肉体的に力を尽くし、苦しい思いをすること。「苦労が絶えない」「苦労を共にする」「苦労の種」「苦労して育てた子供
多く「ごくろう」の形で)人に世話をかけたり、厄介になったりすること。「ご苦労をかける」「ご苦労さま」→御苦労ごくろう
[類語](1骨折りろう労苦苦心腐心辛苦辛労心労煩労艱苦かんく艱難かんなん苦難辛酸ひと苦労手に負えない手が付けられない始末に負えない始末が悪い・どうにもならない・如何ともしがたい・度し難い(―する)難儀する骨折るてこずる労する心を砕く困る弱る参るきゅうするこうずる苦しむ困り果てる困りきる困りぬく困却する往生おうじょうする難渋なんじゅうする閉口する困惑する当惑する途方に暮れる手を焼く手に余る持て余す手が掛かる世話が焼ける

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精選版 日本国語大辞典 「苦労」の意味・読み・例文・類語

く‐ろう ‥ラウ【苦労】

〘名〙 (形動)
① (━する) 仕事、生活、心配ごとなどのために肉体や精神を使って、疲れたり、苦しい思いをしたりすること。また、そのさま。心配やほねおり。労苦。
※運歩色葉(1548)「苦労」
※足利本論語抄(16C)季氏第一六「苦労して天道を学び知る者は中賢の以下上賢の次ぞ」
② (多く「ごくろう」の形で) 人に、せわをかけること。やっかいになること。また、そのさま。せわ。
浄瑠璃・鳥羽恋塚物語(1681頃か)四「又ぞや参り御くらうに罷成申べし、もはやおいとま申さん」
[語誌]字順の異なる「労苦」は、「苦労」よりも古く平安時代前期の「田氏家集‐上」に既に見られるが、中世では、「苦労」の方が一般的であった。近世初期の仮名草子にも両者が使われているが、「労苦」が地の文に、「苦労」は会話文に使用されている。

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普及版 字通 「苦労」の読み・字形・画数・意味

【苦労】くろう

心身を苦しめる。

字通「苦」の項目を見る

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