茂木(読み)もぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「茂木」の意味・わかりやすい解説

茂木
もぎ

長崎市南東部の一地区。旧茂木町。長崎の中心市街地へは田上(たがみ)峠を経て、茂木街道を通ずる。橘(たちばな)湾に面し、天草(あまくさ)の富岡(とみおか)港へはフェリーを通ずる。半農半漁の地区で、ビワの出荷量は全国第1位で、茂木ビワの名で知られる。原木碑によれば、約150年前、中国南部から伝わった種子を地元の女性三浦シオ(1818―1897)が育てたという。

[石井泰義]

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改訂新版 世界大百科事典 「茂木」の意味・わかりやすい解説

茂木[町] (もてぎ)

栃木県南東端,芳賀郡の町。人口1万5018(2010)。町域の大部分は八溝(やみぞ)山地の西麓を占め,北部那珂川が,また南から北へ那珂川支流の逆(さか)川が流れ,茨城県境で合流する。中心集落の茂木は真岡鉄道線の終点をなすとともに,国道123号,294号線が交差する交通の要地で,中世には茂木氏が居城した。幕末ころから葉タバコの生産が盛んで,1977年まで専売公社のタバコ工場が操業していた。1960年代後半から縫製,電子部品,カメラ部品の工場が進出し,タバコ工場跡は音響機器の工場となっている。農業の中心は米作だが,コンニャク,シイタケも生産される。人口減少が続き,過疎地域の指定を受けている。那須烏山市の旧烏山町にかけての那珂川流域は那珂川県立自然公園に指定され,釣りや川下りが楽しめる。国際規格のモーター・スポーツ施設〈ツインリンクもてぎ〉もつくられている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茂木」の意味・わかりやすい解説

茂木
もぎ

長崎県南部,長崎市中部の旧町域。橘湾 (千々石湾) に面する。 1962年長崎市に編入茂木びわの特産地として知られるが,近年はミカン園が増加。茂木漁港は沿岸一本釣り漁業の基地で,生簀料理店が多く,長崎市郊外の高級料飲街をなす。天草下島の富岡港 (熊本県苓北町) との間に定期航路がある。

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百科事典マイペディア 「茂木」の意味・わかりやすい解説

茂木【もぎ】

長崎市南部の一地区。千々石(ちぢわ)湾に臨む漁港。古くからビワの主産地として知られ,近年はミカン,ナシも栽培。市の中心部から国道324号線が通じ,天草諸島へ航路がある。

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デジタル大辞泉プラス 「茂木」の解説

茂木

長崎県、鹿児島県、香川県などで多く生産されるビワ。果実の大きさは30~40グラム程度、果皮は橙色で肉質はやわらかく甘味が強く、酸味は少なく食味良好。国産ビワの主要品種で、江戸時代に中国からもたらされたといわれる。

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