茶掛(読み)チャガケ

デジタル大辞泉 「茶掛」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐がけ【茶掛(け)】

《「茶掛け幅」の略》茶室とこに掛ける軸。水墨の花鳥画小品のほか、書の軸物多く使われる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「茶掛」の意味・読み・例文・類語

ちゃ‐がか・る【茶掛】

〘自ラ五(四)〙 (「がかる」は接尾語)
茶色を帯びる。茶色っぽくなる。
社会百面相(1902)〈内田魯庵〉ハイカラ紳士「茶がかった縞のサックコート
風雅である。茶室ふうである。
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉後「通されたのは、茶掛った小意気な六畳で」

ちゃ‐がけ【茶掛】

〘名〙 茶室の床(とこ)に掛ける掛物茶席掛。茶掛物。
歌舞伎浮世清玄廓夜桜(1884)大詰「向う上手(かみて)一間床の間、茶掛(チャガケ)の軸籠花活(かごはないけ)時の花を活け」

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世界大百科事典(旧版)内の茶掛の言及

【茶道】より

…たとえば楽長次(二)郎を祖とする楽焼の創出,その流れのなかに登場する本阿弥光悦の陶芸,あるいは野々村仁清に代表される京焼の華麗な世界も茶人の要求に従って創造されたものだ。こうした美術・工芸が茶道のなかでいかに用いられているかというと,床の間の飾りとして茶掛といわれる掛物と茶花がある。掛物はわび茶では禅僧の墨跡を最も珍重し,その他絵画,古筆あるいは茶人の消息などが多く用いられる。…

※「茶掛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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