草の縁(読み)クサノユカリ

デジタル大辞泉 「草の縁」の意味・読み・例文・類語

くさ‐の‐ゆかり【草の縁】

《「紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞみる」〈古今・雑上〉による》あるものをいとしく思うために、それにつながる他のものにも情愛を感じること。転じて、何らかの縁でつながるもの。紫のゆかり
「ねは見ねどあはれとぞ思ふ武蔵野の露わけわぶる―を」〈若紫

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精選版 日本国語大辞典 「草の縁」の意味・読み・例文・類語

くさ【草】 の 縁(ゆかり)

(「古今集‐雑上」の「紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る」による) ある一つ因縁によって、それにつながる他のものにも情愛を感じること。転じて、何らかの縁でつながるもの。紫のゆかり。草のたより。
蜻蛉(974頃)下「霜枯れの草のゆかりぞあはれなる駒かへりてもなつけてしがな」
源氏(1001‐14頃)若紫「ねは見ねどあはれとぞ思ふむさしのの露分けわぶる草のゆかりを」

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