草人形(読み)くさひとかた

精選版 日本国語大辞典 「草人形」の意味・読み・例文・類語

くさ‐ひとかた【草人形】

〘名〙 祭祀の具で、草や藁(わら)で作った人形藁人形。草のひとかた。
書紀(720)神功摂政五年三月(北野本南北朝期訓)「蒭霊(クサヒトカタ)を造(つく)て微叱智(みしち)か床(とこ)に置(を)く詳(いつは)て病する者の為(まね)にす」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の草人形の言及

【草】より

…春秋にはそれぞれ七草があり,春の七草は七草粥にみられるように呪術(じゆじゆつ)的な色彩が濃く,一方,秋の七草も単に観賞用だけではなく,卜占にも使われたようである。また草人形(くさひとがた)を作って,穢(けがれ)を託して払ったり,魔よけとして村境に祭る所もある。草は大地よりもえでる生命力の盛んなさまの象徴とされ,多くこの世ならざるものを表象する。…

【人形】より

…古くは平城宮址からも,のろいに使われたと考えられる木製の人形が出土している。(3)には,村境や門口に立てて魔よけとする大型の草人形,わら人形のほか,祭礼の山車(だし)や屋台に神霊の依代として作られる迎え人形,飾人形,さらに厠神(かわやがみ)や船霊(ふなだま)の神体となっている人形もある。この種の人形のなかには,東北地方でいたこという巫女が遊ばせるオシラサマのように,信仰から操り人形や遊び人形へと芸能化・遊戯化を暗示しているものもある。…

※「草人形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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