荊棘（読み）ケイキョク

デジタル大辞泉

けい‐きょく【^×荊^×棘】

１ イバラなど、とげのある低い木。また、そういう木の生えている荒れた土地。
２ 障害になるもの。じゃまになるもの。困難の多いたとえ。「荊棘を除く」「荊棘の道を歩む」
３ 人を害しようとする心。悪心。「心に荊棘を持つ」

ばら【荊^＝棘】

《「うばら（茨）」の音変化》とげのある木の総称。いばら。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

けい‐きょく【荊棘】

〘名〙 (「けいぎょく」とも)

① イバラ、バラなど、とげのある低木の総称。

※凌雲集（814）和左金吾将軍藤緒嗣過交野離宮感旧作〈嵯峨天皇〉「荊棘不_レ知哥舞処。薜蘿独向恋情深」

② イバラなどの生えて荒れはてている土地。荒廃した土地。

※曾我物語（南北朝頃）一二「秦の始皇のはりの都も、おのづからけいきょくの野辺となる」

③ イバラが乱れているように、乱れて騒がしい状態。紛糾した様子。

※篁園全集（1844）二・寄懐友生「世途荊棘足_二艱難_一、不_レ若帰休掩_二竹関_一」 〔後漢書‐馮異伝〕

④ (イバラにとげの多いところから) 障害になるもの、邪魔になるものをたとえていう。

※玩鴎先生詠物雑体百首（1794）高野山行送沙門良深帰本師「瑜伽三密窮_二精微_一、翅恨臨_レ読口荊棘〈略〉日誦二典与_二三墳_一」 〔春秋左伝‐襄公一四年〕

⑤ とげを持つこと。人に害悪をあたえようとする心。害心。悪心。〔孟郊‐択友詩〕

出典　精選版 日本国語大辞典

動植物名よみかた辞典　普及版

荊棘 (バラ・ウマラ;ウバラ)

植物。有刺植物およびバラ科バラ属の蔓性または直立低木の総称

出典　日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典　普及版」