荒磯波(読み)ありそなみ

精選版 日本国語大辞典 「荒磯波」の意味・読み・例文・類語

ありそ‐なみ【荒磯波】

[1] 〘名〙 荒磯に打ち寄せる波。あらいそなみ。
※和田厳足家集(1859頃)「荒磯浪(アリソナミ)巻きもてよする片よりの玉藻や恋のたぐひなるらむ」
[2] 同音の繰り返しで「あり(有)」にかかる。
万葉(8C後)一三・三二五三「つつみ無く 幸(さき)くいまさば 荒礒浪(ありそなみ) ありても見むと 百重波(ももへなみ) 千重浪(ちへなみ)にしき 言上(ことあげ)す吾は」

あらいそ‐なみ【荒磯波】

古今六帖(976‐987頃)五「みさごゐるあらいそなみに袖ぬれてたがためひろふいけるかひそも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「荒磯波」の意味・読み・例文・類語

ありそ‐なみ【×磯波】

[名]あらいそなみ」に同じ。
[枕]同音の繰り返しで「あ(有・在)り」にかかる。
「―ありても見むと」〈・三二五三〉

あらいそ‐なみ【荒×磯波】

荒磯に打ち寄せる波。ありそなみ。
「袖ぬるる―と知りながら」〈更級

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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