荘園集落(読み)しょうえんしゅうらく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荘園集落」の意味・わかりやすい解説

荘園集落
しょうえんしゅうらく

平安時代中期頃から室町時代の間に,荘園を中心として発達した集落。荘園は「別荘たる田園」の意味で,この時代の貴族や大寺院などが本宅以外の地に土地や建物を所有したことに由来する。ここに墾田 (こんでん) を開き,自分の領分として経済的基礎を拡大した。荘園には名主 (みょうしゅ) という統轄者をおき,その屋敷を中心として,家族,近親者や奴婢,下人などを住まわせ,集落が成立した。室町時代になって大名領地制が発達し,荘園は衰退した。現在でも各地に領家,別所別府,館,荒野などの地名のあるところは中世の荘園集落の名残りと考えられるものがある。

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