菅田天神社(読み)かんだてんじんじや

日本歴史地名大系 「菅田天神社」の解説

菅田天神社
かんだてんじんじや

[現在地名]塩山市上於曾

しお川の東岸、国道四一一号の西側にある。祭神は素盞嗚命・五男三女神・菅原道真。旧県社。菅田天満宮ともよばれた(甲斐国志)。承和九年(八四二)一一月、甲斐国司藤原伊勢雄が仁明天皇勅命により甲斐少目飯高浜成に命じて創建、寛弘元年(一〇〇四)二月に一条天皇の勅命で菅原道真を祭神として相殿に祀り、以後菅田天神とよばれた。その後新羅三郎義光によって保護され、以来武田氏の鎮守神・軍陣守護神として崇敬されたという(社記)。当社には武田氏の家宝として相伝された楯無鎧(国宝)所蔵される。これは当社が甲府の鬼門にあたるので、武田氏はこの鎧を於曾氏に預け、当社宝殿に納めて置いて必要の際に出すように命じたからと伝えるが、事実関係は不詳(甲斐国志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菅田天神社」の意味・わかりやすい解説

菅田天神社
すがたてんじんじゃ

山梨県甲州市にある神社。「かんだてんじんじゃ」ともいう。祭神はスサノオノミコト (素戔嗚尊)菅原道真など9神。旧県社。戦国時代より武士の崇敬を受け,特に武田氏寄進祈願を多くなし,また禁制も出した。その後徳川家康徳川家光朱印地を授けた。源氏八領と呼ばれる鎧の一つと伝えられる小桜韋威鎧 (こざくらがわおどしよろい) を所蔵,国宝に指定されている。

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