菊岡沾涼(読み)きくおか・せんりょう

朝日日本歴史人物事典 「菊岡沾涼」の解説

菊岡沾涼

没年:延享4.10.24(1747.11.26)
生年:延宝8(1680)
江戸中期の俳人伊賀上野(三重県)の人で,のち江戸に住む。飯束三悦の実子で,菊岡行尚の養子となる。別号,崔下庵,南仙斎など。俳諧においては,芳賀一晶について南仙,内藤露沾について沾涼,と号した。点者としての活躍も注目されるが,『綾錦』『鳥山彦』に俳人の系譜などを整理し,譬喩俳諧批判におよんだことは有名。俳壇的野心を持ちあわせると同時に,和漢の学に通暁した人。『江戸砂子』などの地誌や考証書もある。<参考文献>島田筑波「金工菊岡光行」(『島田筑波集』上)

(楠元六男)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「菊岡沾涼」の解説

菊岡沾涼 きくおか-せんりょう

1680-1747 江戸時代中期の俳人。
延宝8年生まれ。伊賀(いが)(三重県)上野の人。菊岡行尚の養子。江戸神田にすむ金工。俳諧(はいかい)を芳賀一晶(はが-いっしょう),内藤露沾(ろせん)にまなび,点者となった。地誌,考証などの著述もある。延享4年10月24日死去。68歳。本姓は飯束。名は房行。通称は藤右衛門。著作に「江戸砂子」「綾錦」「諸国里人談」など。

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