菏沢(読み)かたく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「菏沢」の意味・わかりやすい解説

菏沢
かたく / ホーツォー

中国、山東(さんとう)省南西部、黄河(こうが)下流地域にある地級市。人口990万6000(2014)。2市轄区、7県を管轄する(2016年時点)。明(みん)代に曹(そう)県、曹州が置かれたため、曹州とも俗称される。清(しん)代に菏沢県となり、1960年に市に昇格したが、1963年に県に戻り、1983年ふたたび市に昇格した。小麦のほかワタ栽培が盛んであり、黄河流域ワタ作地帯の主産地でもある。干害や黄河の氾濫(はんらん)による水害が繰り返されてきたが、中華人民共和国成立以後は黄河の堤防整備によって災害が減少している。石炭埋蔵量が豊富で、省全体の2割を占める。多様な漢方薬材を生産しており、なかでもボタンは特産

[駒井正一・編集部 2017年1月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「菏沢」の意味・わかりやすい解説

菏沢 (かたく)
Hé zé

中国,山東省南西部の市。菏沢地区の中心。人口128万(2000)。東流してきた黄河が北東へ流れを変える地点の東にあり,地勢的には華北平原の要にあたる。とくに山東と河南陝西東西に結ぶ要路上にあり,春秋時代には曹国の国都も置かれる要衝であった。漢代には句陽(こうよう)県,北魏には乗氏県,金代には済陰県,明代に曹県と名が変わり,清代に今の名となった。この間,曹州府が置かれたところから俗に曹州と呼ばれる。明代に始まるボタン栽培は全国的に名高い。
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