華族令(読み)かぞくれい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「華族令」の解説

華族令
かぞくれい

近代の五爵制による華族制度を定めた法令。西南戦争後,明治政府の体制確立のため,旧華族(公卿諸侯)制度を,西欧の制度を参考にして整備することが検討された。1881年(明治14)国会開設が定まると,将来の上院母体として華族制度の確立が必要になった。伊藤博文宮中の制度化と並行して華族制度の制定に努め,井上毅(こわし)の起草で84年7月華族に公・侯・伯・子・男の五爵を設け,門閥・勲功により爵位を授ける華族令を公布した。爵位は男子の世襲宮内卿(宮内大臣)の管掌とされ,子弟には相応の教育を受けさせること,禁錮以上の刑をうければ爵位を返上することなどを定めた。旧華族のほか維新の功臣にも授爵。1907年に改訂,47年(昭和22)廃止。

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旺文社日本史事典 三訂版 「華族令」の解説

華族令
かぞくれい

1884(明治17)年,華族制度を確立した法令
公・侯・伯・子・男の5爵を設け,公卿・諸侯などに家格・勲功によって授爵し,国家に勲功ある者も華族に列した。1889年貴族院令により30歳以上の公・侯は全部,ほかは互選貴族院議員になる特権を有した。1947年廃止。

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世界大百科事典(旧版)内の華族令の言及

【華族】より

…これは国立銀行条例によるものであるが,俗に華族銀行とよばれ,特別な保護を政府から受けていた。 1884年7月7日,華族令が出された。当初は10ヵ条だが逐次追加され,1907年に全面改正された(全28条)。…

※「華族令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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