華県地震(読み)かけんじしん(英語表記)Shaanxi province earthquake of 1556

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「華県地震」の意味・わかりやすい解説

華県地震
かけんじしん
Shaanxi province earthquake of 1556

1556年1月23日朝,中国北部シェンシー(陝西)省で発生した巨大地震。記録に残る地震のなかでも最多死者を出した地震といわれる。マグニチュードM)は 8と推定される。陝西省と東に隣接するシャンシー(山西)省が被災し,死傷者は推定 83万人。両省の人口は約 60%減少したと考えられる。記録によれば,震源地は陝西省ホワ(華)県付近。破壊の状況はこの種の記録としてはきわめて詳細かつ生々しく記されており,ゆれは数秒間の短いものだったにもかかわらず,山々は崩れ,川の流れが変わり,大規模な洪水が起こり,火災が発生して何日も燃え続けたという。犠牲者の多くは倒壊家屋の下敷きになって死亡したため,以後,崩れた石造りの家に代わって,より柔軟で地震に強い,タケや木などを使った家が建てられるようになった。華県地震は,ウェイ(渭)河流域の境界線を形成する 三つの大きな断層と関連している。

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世界大百科事典(旧版)内の華県地震の言及

【地震】より

…中国には古代から大地震の記録が多数残っているが,1668年郯城地震(山東省),1920年海原地震(寧夏回族自治区,M8.6,死者20万余)などは特に大きかった。また1556年華県地震(陝西省)は83万をこえる死者が記録されている。近年では1976年唐山地震(河北省,M8.0)が今世紀最多の死者24万2000人を出した。…

※「華県地震」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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