落差(読み)らくさ

精選版 日本国語大辞典 「落差」の意味・読み・例文・類語

らく‐さ【落差】

〘名〙
① 水が流れ落ちる上・下の水面の差。特に有効落差に対して自然落差・総落差ということもある。ヘッド
※日本拝見‐佐久間ダム(1955)〈大宅壮一〉「高さ百五十メートルのダムでせきとめて、三億三千万立方メートルの水をため、百三十三メートルの落差をつくり」
物体落下する時の、落下開始点から着地点までの高低の差。〔英和和英地学字彙(1914)〕
③ 転じて、二つのものの間の水準・価値などの高低の差。
※志賀直哉論(1953)〈中村光夫〉祖父直道「彼の青年期の苦しみは、〈略〉ありたいと思う自己現実の自己との落差の意識であったのは」

おとし‐ざし【落差】

〘名〙 刀の末端(鐺(こじり))を下げて刀を差すこと。こじりさがり。
浮世草子好色一代男(1682)四「ぱっぱの大小おとしざし、虚無僧(こもぞう)あみ笠ふかく、太緒(ふとを)雪駄(せった)位勝(いかつ)げにはきなして」

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デジタル大辞泉 「落差」の意味・読み・例文・類語

らく‐さ【落差】

水が流れ落ちるときの、上下の水面の高さの差。「落差20メートルの滝」
物体が落下するときの高低の差。
二つのものの間の差。水準などの高低の差。「理想と現実との落差
[類語]較差格差雲泥の差違い差異相違異同誤差小異大差同工異曲大同小異分かち開き隔たり懸隔僅差個人差不一致異質ギャップ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「落差」の意味・わかりやすい解説

落差
らくさ
throw

断層によって生じた垂直方向のずれ。断層によって生じたその両側の地層のずれは種々の方向をとるが,垂直変位量でずれの量を表わしたものを落差という。落差を求めるには,同一地層の断層面の両側におけるそれぞれ位置を調べ,その間の垂直距離をはかる。小さな断層では落差は数 cm~数m程度であるが,落差数 kmに及ぶ大きな断層もある。

落差
らくさ
head drop

重力のもとで運動する流体の2点間の高さ,すなわち位置水頭の差をいう。流体のもつ位置エネルギーに相当し,水力発電では流体の落下により,この位置エネルギーが運動エネルギーに変ることを利用する。逆に揚水ポンプでは落差に相当する運動エネルギーを流体に与えなければならない。実際の応用では単に高さだけでなく,流体を導く管の抵抗などを考慮した実効落差を用いる。

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デジタル大辞泉プラス 「落差」の解説

落差

松本清張の長編小説。1963年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内の落差の言及

【断層】より

…断層面をはさんで隣りあっていた2点間の断層運動後の距離を実移動といい,実移動の走向方向の成分を走向移動,傾斜方向の成分を傾斜移動という。また実移動の鉛直成分を落差という(図1)。 断層面に沿って周囲の岩石が破砕されている場合,その部分を断層破砕帯または単に破砕帯と呼ぶ。…

※「落差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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