落月堂操巵(読み)らくげつどうそうし

改訂新版 世界大百科事典 「落月堂操巵」の意味・わかりやすい解説

落月堂操巵 (らくげつどうそうし)

江戸中期の浮世草子作者。本名出生地不詳。《和漢乗合船》(1713),《近代長者鑑(かがみ)》(1714)などの作がある。前者中国の怪異説話を翻案し,原拠の話をも併出した勧善懲悪的色彩の濃い作で,当時の文芸界の中国趣味流行に乗じたもの。後者は金持ちと好色遊興をめぐる5話から成り,同時期に江島其磧きせき)が町人物を2作出したことに刺激されて書いた作。小説作者としては,時流に従う平凡な二流の存在。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「落月堂操巵」の解説

落月堂操巵 らくげつどう-そうし

?-? 江戸時代中期の戯作(げさく)者。
正徳(しょうとく)(1711-16)のころ,中国の怪異説話に材をえた浮世草子「怪談乗合船」や好色・遊興物の「近代長者鑑(かがみ)」などをかいた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android