葉名琛(読み)ようめいしん(英語表記)Ye Ming-chen; Yeh Ming-chên

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「葉名琛」の意味・わかりやすい解説

葉名琛
ようめいしん
Ye Ming-chen; Yeh Ming-chên

[生]嘉慶12(1807)
[没]咸豊9(1859).カルカッタ近郊
中国,清末の官僚。湖北省漢陽の人。道光 15 (1835) 年の進士。同 28年広東巡撫,咸豊2 (52) 年両広総督兼通商大臣に昇任,のち協辧大学士,体仁閣大学士に栄進した。巡撫時代にはイギリス人の広州入城要求を退け,同6年アロー号事件 (→アロー戦争 ) の際にもイギリスの要求に応じず,対外的に強硬な態度をみせたが,翌年のイギリス,フランス連合軍の広州攻撃には抵抗することなく,捕虜としてカルカッタ近郊に送られ,そこで病死した。

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世界大百科事典(旧版)内の葉名琛の言及

【第2次アヘン戦争】より

…1856年(咸豊6)10月8日,広東前面の珠江に停泊していた,香港船籍,中国人所有のローチャ船アロー号(実際は船籍期限が切れていた)のイギリス国旗が中国兵によって引き下ろされ,船員は海賊容疑で拉致された。当時,中国・イギリス間の条約改訂交渉が進を見せておらず,イギリスの中国駐在公使兼香港総督J.ボーリングと広東領事H.S.パークスは,アロー号問題を強引に〈事件〉にして本国に開戦を促し,両広総督葉名琛(ようめいちん)(1807‐59)との交渉を決裂させた。広東周辺では反英運動が高まり,他方,本国のパーマストン内閣は開戦を決定したが,翌年2月下院でR.コブデンの政府反対決議が可決され,パーマストンは解散,総選挙によって開戦を強行した。…

※「葉名琛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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