日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
蓑田胸喜(みのだむねき)
みのだむねき
(1894―1946)
国家主義者。熊本県出身。東京帝国大学卒業後、慶応義塾大学予科教授を経て国士舘(こくしかん)専門学校教授となる。1925年(大正14)三井甲之(みついこうし)らと原理日本社を設立し、狂信的な日本至上主義の立場から帝大粛学を唱え、左翼系学者や自由主義的学者を攻撃した。33年(昭和8)滝川事件の口火を切って学問の自由や大学自治の破壊に一役買った。また、35年の天皇機関説事件でも導火線的役割を果たすとともに、機関説撲滅同盟などを結成して国体明徴運動を展開した。その後も軍部や官憲と結んで思想弾圧や言論統制に活躍した。敗戦後、郷里熊本で自殺した。著書に『学術維新原理日本』などがある。
[安部博純]
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