蕪・蕪菁(読み)かぶ

精選版 日本国語大辞典 「蕪・蕪菁」の意味・読み・例文・類語

かぶ【蕪・蕪菁】

〘名〙 (「かぶら」の女房詞「おかぶ」から変化した語か。類例に「なすび」の女房詞「おなす」から「なす」ができた例がある)
アブラナ科一年草または二年草。ヨーロッパ原産で、日本へは古く中国から渡来したとみられる。高さ約九〇センチメートルになるものもある。葉は初め叢生(そうせい)し、長楕円形で縁は不規則に切れ込む。春、枝先に十字状の黄色小花を密につける。重要な野菜として栽培され、肥大して円錐形球形となる根を食用にする。多くの品種があり、大形のものは家畜飼料にもなる。かぶら。かぶな。かぶらな。うきな。すずな。《季・冬》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 紋所の名。葉のついた蕪を図案化したもので、蕪、二つ割蕪などの類がある。
③ 昔、女房の頭髪を結うときに、釵子(さいし)を結びつけるため頭の頂につけ加えた、①の形をした髢(かもじ)

かぶら【蕪・蕪菁】

〘名〙
① 「かぶ(蕪)①」の異名。《季・冬》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
江戸時代遊里初心者をいう。郭の遊びにまだなれていない者。
評判記色道大鏡(1678)一「蕪(カブラ)初心なる者をさしていふ也、瓦智に比していへり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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