藐姑射の山(読み)ハコヤノヤマ

デジタル大辞泉 「藐姑射の山」の意味・読み・例文・類語

はこや‐の‐やま【××射の山】

本来は、「はるかなる姑射こやの山」の意。「荘子」逍遥遊の例により、一つ山名のように用いられるようになった》
中国で、仙人が住んでいるという想像上の山。姑射山こやさん
日本で、上皇御所を祝っていう語。仙洞せんとう御所。仙洞

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精選版 日本国語大辞典 「藐姑射の山」の意味・読み・例文・類語

はこや【藐姑射】 の 山(やま)

(「藐」は「邈」と同じで遙か遠い意。「姑射」は山名。従ってもともとは「はるかなる姑射の山」の意であるが、「荘子」の例によって、あわせて山名のごとく用いられるようになったもの)
[一] 中国で不老不死の仙人が住んでいるという想像上の山。姑射山(こやさん)
※俳諧・芭蕉句選拾遺(1756)士峯讚「若藐姑射の山の神人有て、其詩を能せんや、其絵をよくせん歟」 〔荘子‐逍遙遊〕
[二] 上皇の御所を祝っていう。また、そこにいる人、すなわち上皇。仙洞(せんとう)御所。仙洞。はこやが峰。
※千載(1187)賀・六二五「うごきなきなほよろづよぞ頼べきはこやの山のみねの松風〈式子内親王〉」
[補注]「万葉‐三八五一」の「心をし無何有(むがう)の里に置きてあらば藐孤射能山(まコやノやま)を見まく近けむ」の「藐孤射能山」を「はこやのやま」と訓む説も多い。

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