藤原良世(読み)ふじわらのよしよ

朝日日本歴史人物事典 「藤原良世」の解説

藤原良世

没年昌泰3.11.18(900.12.12)
生年:生年不詳
平安前期の公卿。冬嗣と大庭女王の子。良房の異母弟。「つきよ」「つぎよ」とも。文徳朝に右兵衛佐,左近衛少将などを歴任し,清和朝に参議から中納言,陽成朝に大納言,右大臣へと進み,寛平8(896)年7月左大臣に昇進。しかし同12月に致仕し「致仕大臣」と呼ばれた。この間寛平3年に没した藤原基経のあとを受けて氏長者となる。没する5カ月前,『興福寺縁起』を選進し,同寺長講会の費用として備前国鹿田荘(岡山市南部)の地子米を施入しているのは一族の長としての責任からだろう。没した日に従一位を追贈

(瀧浪貞子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原良世」の解説

藤原良世 ふじわらの-よしよ

823-900 平安時代前期の公卿(くぎょう)。
弘仁(こうにん)14年生まれ。藤原冬嗣(ふゆつぐ)の8男。母は大庭王の娘。貞観(じょうがん)12年(870)参議。寛平(かんぴょう)3年(891)右大臣,5年従二位,8年左大臣。同年致仕し,致仕大臣とよばれる。氏長者として「興福寺縁起」を撰した。昌泰(しょうたい)3年11月18日死去。78歳。贈従一位。

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