藤堂高潔（読み）とうどう・たかきよ

朝日日本歴史人物事典

藤堂高潔

没年：明治22.11.19(1889)
生年：天保8.9.20(1837.10.19)
明治初期の津藩知事。11代津藩主高猷の子。伊勢国(三重県)津生まれ。文久3(1863)年上京して朝廷の守衛を命ぜられ,翌元治1(1864)年には父高猷の名代で上京,慶応2(1866)年にも朝廷の要請で上京,翌3年にも父に代わって上京するなど,京都守衛に努めた。明治1(1868)年にも率兵上京,次いで明治天皇の大阪行幸に従い,さらに父に代わって東征軍に加わった。同4年6月家督を相続して津藩知事となったが,半月で廃藩となって知事を解任された。その後宮中祗候などを命ぜられ,17年の華族令制定の際伯爵を授けられた。

(上野秀治)

出典　朝日日本歴史人物事典：（株）朝日新聞出版

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

藤堂高潔 とうどう-たかきよ

1837－1889　幕末-明治時代の武士,華族。
天保(てんぽう)8年9月20日生まれ。天誅組の変,禁門の変の際,父の伊勢(いせ)津藩主藤堂高猷(たかゆき)の代理として京都御所の警護などにあたり,戊辰(ぼしん)戦争では新政府軍にしたがう。明治4年津藩知事。伯爵。書画をよくし,和歌にもすぐれた。明治22年11月18日死去。53歳。

出典　講談社