藤山ハル
ふじやまはる
(1900―1974)
樺太(からふと)アイヌ文化の伝承者。アイヌ名はエソランケマㇵ。アイヌ語樺太方言(西海岸中部のライチシカ方言)の優秀な話し手で、シャーマンの祈り(トゥス)、伝説や説話、各種の歌謡、トンコリなどの民族楽器、祭事、刺しゅうなど、北海道とは異なる樺太アイヌ古来の文化の貴重な伝承者であった。第二次世界大戦後、樺太(サハリン)から北海道に引き揚げ、常呂(ところ)町(現北見市)に住む。服部(はっとり)四郎編『アイヌ語方言辞典』の樺太方言、村崎恭子著『カラフトアイヌ語』などの資料はすべて藤山のアイヌ語に基づく。
[村崎恭子]
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藤山ハル ふじやま-ハル
1900-1974 大正-昭和時代のアイヌ文化伝承者。
明治33年生まれ。金谷フサの母。戦後,樺太(からふと)(サハリン)から北海道常呂(ところ)町に移住する。アイヌ語樺太方言の最後の話し手として,服部四郎らの言語研究に協力。樺太アイヌ固有の伝説,祭りなどの伝承にも貢献した。昭和49年死去。74歳。アイヌ名はエソランケマハ。通称はフシコ。
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