藤懸静也(読み)ふじかけしずや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤懸静也」の意味・わかりやすい解説

藤懸静也
ふじかけしずや
(1881―1958)

美術史家。文学博士。茨城県古河(こが)に生まれる。1910年(明治43)東京帝国大学を卒業後、滝精一(せいいち)の美術史研究室を経て美術雑誌『国華』の編集部に勤めた。34年(昭和9)より41年まで東京帝国大学教授として美術史を講義し、45年には滝の後任として国華社の主幹となる。第二次世界大戦後、文化財専門審議会が設置されると専門委員となり、のちに会長となって美術行政に尽くした。浮世絵を近代的な美術史学の観点から体系的に整理し、日本美術史のなかに位置づけた最初の学者であり、今日の浮世絵研究の基礎を固めた功績は多大である。主著に『浮世絵の研究』全三巻(1943・雄山閣)がある。

[玉蟲玲子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤懸静也」の解説

藤懸静也 ふじかけ-しずや

1881-1958 大正-昭和時代の美術史家。
明治14年2月25日生まれ。美術雑誌「国華(こつか)」編集部員,国学院大教授などをへて昭和9年東京帝大教授。戦後は国華社主幹,文化財専門審議会会長などをつとめた。浮世絵研究で知られ,「浮世絵版画史」などの著書がある。昭和33年8月5日死去。77歳。茨城県出身。東京帝大卒。号は獅埼庵,獅子庵

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