藤橋(読み)ふじばし

日本歴史地名大系 「藤橋」の解説

藤橋
ふじばし

称名しようみよう川が常願寺川に落合う地点の称名川に架かっていた吊橋。橋を渡り黄金こがね坂を登ると千寿せんじゆヶ原で、同地から立山溶岩台地末端の急峻な草生くさおい坂・材木ざいもく坂に取付く。いわば藤橋は立山登拝道の関門であった。藤橋とは藤蔓を編んで架けた吊橋をいう一般名詞であるが、とくに立山道に沿う当地のものが有名で、単に藤橋といえばこの橋をさすのが普通であった。大淀三千風の天和二年(一六八二)の「立山路往」によれば、もとフゴの渡、つまり籠の渡しであったという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤橋」の意味・わかりやすい解説

藤橋
ふじはし

岐阜県西部、揖斐郡(いびぐん)にあった旧村名(藤橋村(むら))。現在は揖斐川町北部を占める地域。旧藤橋村は日本最大の多目的ダムの建設で、集落大部分が水没するため村民が集団移転した徳山村を、1987年(昭和62)に編入合併。さらに2005年(平成17)に谷汲(たにぐみ)、春日(かすが)、久瀬(くぜ)、坂内(さかうち)の4村とともに揖斐川町と合併した。旧村域は、年降水量約3000ミリメートルの多雨多雪地域にあたる。中心地区は、揖斐川沿いの東横山、西横山で、国道303号は改良舗装工事が完成し、大垣や岐阜方面への交通時間が著しく短縮した。また、地域の北部へ国道417号が通じる。住民は、自給的な米作を中心に、林業労働などの兼業に依存。特産はシイタケゼンマイワラビなど。

[上島正徳]

『『藤橋村史』上下(1982・藤橋村)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤橋」の意味・わかりやすい解説

藤橋
ふじはし

岐阜県南西部,揖斐川町北部の旧村域。揖斐川上流域にある。 1897年村制。 1987年徳山村を編入。 2005年揖斐川町,谷汲村,春日村,久瀬村,坂内村の5町村と合体して揖斐川町となった。両白山地の山あいにあり,シイタケ,ワラビなど山菜が豊富。揖斐川に多目的の横山ダムがある。一部は揖斐県立自然公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「藤橋」の意味・わかりやすい解説

藤橋 (ふじはし)

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