虎巻(読み)トラカン

デジタル大辞泉 「虎巻」の意味・読み・例文・類語

とら‐かん〔‐クワン〕【虎巻】

虎のまき3」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「虎巻」の意味・読み・例文・類語

とら‐の‐まき【虎巻】

〘名〙 (中国の兵法書「六韜(りくとう)」の虎韜巻(ことうかん)によるもの)
① 兵法の秘伝書。
※御伽草子・みなつる(室町時代小説集所収)(室町末)「とらのまきと申を、一巻残させ給ひて」
芸道秘事・秘伝の書。
※雑俳・つづら笠(1709)「いただゐてわが一念はとらの巻」
奥義。秘訣。それに基づけば、また、それを知っていれば効果があがるもの。
※江戸から東京へ(1924)〈矢田挿雲〉一一「論語と孟子を経世済民の虎(トラ)の巻(マキ)と考へて居る役人が」
④ 飯の種となるもの。
※雑俳・媒口(1703)「たたみおく・過去帳寺の虎の巻
⑤ 講義などの種本(たねほん)
※大菩薩峠(1913‐41)〈中里介山〉慢心和尚の巻「書き入れをしたり仮名をつけたりして、やっと読むことの出来る語録を二三冊持ってゐることが、和尚の虎(トラ)の巻(マキ)で、それを取り上げてしまへば〈略〉講義も提唱も出来ないのでありました」
⑥ 教科書の内容を解説した本。手軽な参考書。あんちょこ。とらかん。〔最新百科社会語辞典(1932)〕

とら‐かん ‥クヮン【虎巻】

※ぽんこつ(1959‐60)〈阿川弘之〉兄の遺品「敷きうつしに出来るトラカン(虎の巻)もないのに、十二月までに、卒論書けると思う?」

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