デジタル大辞泉
「虎杖」の意味・読み・例文・類語
いたどり【虎=杖】
1 タデ科の多年草。山野に自生。高さ約1.5メートル。茎にはかすかな紅色の斑点があり、葉は卵形で先がとがる。雌雄異株。夏、白色または淡紅色の小花が円錐状につく。花が紅色のものを特に、明月草とよぶ。若い茎は酸っぱいが、食べられる。根を漢方で虎杖根といい、利尿・通経薬とする。さいたづま。たじい。すかんぽ。《季 春 花=夏》「―を啣へて沙弥や墓掃除/茅舎」
2 紋所の名。イタドリの葉と花を図案化したもの。
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いたどり【虎杖】
〘名〙
① タデ科の多年草。各地の山野、
路傍に生える。高さ一メートル内外。茎は
中空で節をもち、若い茎には
紅紫色の斑点がある。葉は長さ五~一五センチメートルの
広卵形または卵状楕円形で先がとがる。雌雄異株で夏、白または淡赤色の小さい花が
葉腋(ようえき)に総状に咲く。果実には翼がある。若い茎はやや
酸味をおび
食用となり、根茎は利尿、健胃剤などとされる。漢名、虎杖、黄薬子。たんじ。すかんぽ。すっぱぐさ。たじい。さいたずま。《季・春》
▼いたどりの花 《季・夏》
※
書紀(720)反正即位前(図書寮本訓)「
多遅の花は、今の虎杖
(イタトリ)の花
(はな)なり」
② 紋所の名。イタドリの花と葉とを図案化したもの。
たじひ たぢひ【虎杖】
※書紀(720)反正即位前(寛文版訓)「時に多遅(タチヒ)の花(はな)、井の中に有り。因りて太子の名(みな)と為。多遅の花は今の虎杖(いたとり)の花(はな)なり。故多遅比(たちひ)瑞歯別天皇と称(たた)へ謂す」
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虎杖 (イタドリ)
学名:Polygonum cuspidatum
植物。タデ科の多年草,園芸植物,薬用植物
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典(旧版)内の虎杖の言及
【イタドリ】より
…江戸時代には,根茎を甘草(かんぞう)とともに煎じて,夏の飲料とした。中国では,若い茎の紅紫斑を虎の皮の模様にたとえ,虎杖という。地下茎と根は漢方の虎杖根(こじようこん)で,ポリゴニンpolygonin,エモディンemodinなどを含み,通経,利尿,緩下剤などに用いられる。…
※「虎杖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」