蚕室(読み)サンシツ

デジタル大辞泉 「蚕室」の意味・読み・例文・類語

さん‐しつ【蚕室】

かいこを飼う部屋
昔、中国で、宮刑に処せられた人を入れた部屋。

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精選版 日本国語大辞典 「蚕室」の意味・読み・例文・類語

さん‐しつ【蚕室】

〘名〙
① 蚕を飼育する部屋。かいこべや。養蚕室。〔布令字弁(1868‐72)〕 〔礼記‐祭義〕
② 古代中国で、宮刑に処すべき罪人を入れて燻腐した部屋。〔書言字考節用集(1717)〕 〔漢書司馬遷伝〕

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普及版 字通 「蚕室」の読み・字形・画数・意味

【蚕室】さんしつ

養蚕の室。また、獄名。漢・司馬遷〔任少(安)に報ずる書〕李陵に生して、其の家聲を(やぶ)り、僕之れを室に(つ)ぎ、重ねて天下に笑せらる。悲しい夫(かな)、悲しい夫。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蚕室」の意味・わかりやすい解説

蚕室
さんしつ

蚕の飼育,上蔟採種を行う場所。蚕の成育に適した条件をそなえることが必要で高温多湿を必要とする稚蚕期には補温補湿をしやすい密閉できる場所がよく,壮蚕期や上蔟期には比較的低温乾燥状態が要求されるので通風換気のしやすい場所がよい。養蚕農家は専用蚕室,住居兼用の蚕室でこうした条件を満たす努力をしてきたが,稚蚕共同飼育や屋外条桑育の普及によって,共同飼育所,ビニルハウス,半永久的な簡易屋外ハウスなどが蚕室の中心になってきた。

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