蛇苺(読み)へびいちご

精選版 日本国語大辞典 「蛇苺」の意味・読み・例文・類語

へび‐いちご【蛇苺】

〘名〙 バラ科多年草。各地の原野路傍に生える。茎は地上をはい、長さは約一メートル。葉は三出複葉で長い柄があり、各小葉は長さ約三センチメートルの倒卵状円形で縁にあらい鋸歯(きょし)がある。春、葉腋から花柄を出し、その先に小さな黄色い五弁花をつける。痩果は小さく赤色の粒状で、表面に凹凸があり、球形にふくらんだ花托の表面に散在する。蛇が食べる苺と考えられた。俗に毒があるとされるが、無毒。漢名、蛇苺。へみいちごくちなわいちご。どくいちご。《季・夏》
▼へびいちごの花《季・春》 〔多識編(1631)〕

くちなわ‐いちご くちなは‥【蛇苺】

〘名〙 植物へびいちご(蛇苺)」の異名。《季・夏》
※枕(10C終)一五三「いきすだま、くちなはいちご、おにわらび」

へみ‐いちご【蛇苺】

〘名〙 =へびいちご(蛇苺)本草和名(918頃)〕

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デジタル大辞泉 「蛇苺」の意味・読み・例文・類語

へび‐いちご【蛇×苺】

バラ科の多年草。原野や道端にみられ、茎は地をはい、節から新芽を出してふえる。葉は3枚の小葉からなる複葉で、長い柄をもつ。4~6月、黄色い5弁花をつけ、実は赤く熟し、食べられるが味は淡白。くちなわいちご。 夏》「田水満ち日いづる露に―/蛇笏
[類語]木苺野苺オランダ苺梶苺草苺熊苺苗代苺苦苺薔薇苺冬苺紅花苺紅葉苺ストロベリー

くちなわ‐いちご〔くちなは‐〕【×苺】

ヘビイチゴ別名

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動植物名よみかた辞典 普及版 「蛇苺」の解説

蛇苺 (ヘビイチゴ・クチナワイチゴ;ヘビノイチゴ;ヘミイチゴ)

学名Duchesnea chrysantha
植物。バラ科の匍匐性多年草

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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