螻蛄才(読み)けらざい

精選版 日本国語大辞典 「螻蛄才」の意味・読み・例文・類語

けら‐ざい【螻蛄才】

〘名〙 (「古今注‐魚虫」の「螻蛄、〈略〉有五能而不伎術、一飛不屋、二縁不木、三没不谷、四掘不身、五走不人」から) 五つ才能を持ちながら、そのうち一つも満足なものがないというケラの才能。転じて、多芸多才ながらどれも未熟でものになっていないこと。また、役に立たない才能。螻蛄芸(けらげい)。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
[補注]五つの才能については異説があり、「二十巻本和名抄‐一九」では「今案一説云、能飛不能過屋。能啼不能囀声。能泅不能渡涜。能縁不能窮木。能耕不能掩身」と注する。

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デジタル大辞泉 「螻蛄才」の意味・読み・例文・類語

けら‐ざい【螻蛄才】

《螻蛄には飛ぶ、登る、潜る、掘る、走るの五つの能力があるが、どれ一つとして卓越したものがないところから》多芸多才でありながら、どれも中途半端であること。また、そのような役に立たない才能。螻蛄芸。

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