蟻壁(読み)ありかべ

精選版 日本国語大辞典 「蟻壁」の意味・読み・例文・類語

あり‐かべ【蟻壁】

〘名〙 和風建築室内で、天井長押(てんじょうなげし)蟻壁長押(ありかべなげし)との間にある壁。柱を塗り隠して大壁に造る。〔日本建築辞彙(1906)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「蟻壁」の意味・わかりやすい解説

蟻壁 (ありかべ)

おもに書院客殿など住宅建築において,天井のすぐ下に設けられた丈の低い壁をいう。普通は上長押(かみなげし)(蟻壁長押ともいう)と天井の回り縁(まわりぶち)との間に横板をはめてしっくいを塗り,下方の壁とは違って柱面より外に付く。書院や客殿では猿頰天井(さるぼおてんじよう)(竿縁天井一種)が多く用いられ,竿縁の割りが柱や束(つか)と少しずれるが,蟻壁を設けると柱や束が隠されるので,そのずれが目だたなくなる。
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