衆中(読み)しゅちゅう

精選版 日本国語大辞典 「衆中」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐ちゅう【衆中】

〘名〙 (「しゅぢゅう」とも)
① 多くの人のなか。また、おおぜいの仲間
※観智院本三宝絵(984)中「みだりがはしく衆中にまじりゐるといへば」
※宇治拾遺(1221頃)一二「さりながら衆中にてかく云事を、なにとも答へざらむも口惜と思て」
中世、奈良興福寺の寺住衆徒(じじゅうしゅと)をいう。武器を持って社頭や寺門を防御し、奈良市中を警固、武力闘争や犯罪人の検断を行なった。
※経覚私要鈔‐応永二二年(1415)一一月一二日「去年天満祭礼不参之間、悉召抜装束了、而両人為衆中押而免除云々」

しゅう‐ちゅう【衆中】

〘名〙
江戸時代評定所で事を審議する役人たち。評定衆(ひょうじょうしゅう)
随筆・折たく柴の記(1716頃)下「八月四日に評定所に召して、衆中と相議せしに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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