行李・梱(読み)こうり

精選版 日本国語大辞典 「行李・梱」の意味・読み・例文・類語

こう‐り カウ‥【行李・梱】

[1] 〘名〙
使者。つかい。
※田氏家集(892頃)中・夏夜於鴻臚館餞北客帰郷「行李礼成廻節信、扶桑恩極出蓬壺」 〔春秋左伝‐僖公三〇年〕
② 旅行に携える荷物。荷物。
※続日本紀‐慶雲三年(706)正月丁亥「所貢無虧、行李相属」
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉六〇「一輛の馬車行李(カウリ)を載せて将(ま)さに発せんとす」 〔韓愈‐送石処子序〕
③ (②から転じて) 旅。
※新撰朗詠(12C前)下「三千里の外、行李に随ひ、十九年の間、転蓬に任せたり〈紀在昌〉」
④ 竹、または柳などで編んだ、物入れ。小型のものは弁当箱にもした。後には、普通、衣類などを収納するものをいう。こり。
梅津政景日記‐慶長一七年(1612)四月五日「鉛五拾こうり当山へはこはせ申候」
※一握の砂(1910)〈石川啄木〉手套を脱ぐ時「赤紙の表紙手擦(てず)れし 国禁の 書(ふみ)を行李の底にさがす日」
⑤ 旧陸軍で、戦闘のために弾薬糧秣被服、要品、器材などを運ぶことを任務とした部隊。大隊に属して、大行李、小行李があり、副馬、隊属輜重、駄馬、車輛などから成る。〔作戦要務令(1939)〕
[2] 〘接尾〙 =こり(梱)(二)〔和英語林集成初版)(1867)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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