行行(読み)いけいけ

精選版 日本国語大辞典 「行行」の意味・読み・例文・類語

いけ‐いけ【行行】

〘名〙 (形動) (動詞「いく(行)」の命令形を重ねた語)
① ほったらかしのこと。放任放置
歌舞伎桑名屋徳蔵入船物語(1770)二「『さうして十年も家へ往(い)なずに、後はどうなった』『どうなったやらいけいけぢゃ』」
② 受け渡しや損益の差し引きがゼロであること。相殺(そうさい)。〔両京俚言考(1868‐70頃)〕
③ やたらに威勢がいいこと。むやみと元気なさま。

ゆく‐ゆく【行行】

〘副〙 (動詞「行く」を重ねた語)
① 行きながら。道を歩きながら。道すがら。
書紀(720)雄略九年三月(前田本訓)「紀小弓宿禰等即ち新羅に入りて行(ユクユク)傍の郡を屠(ほふ)りとる」
行く末に。やがて。将来に。これから先に。
※虎寛本狂言・腹不立(室町末‐近世初)「ゆくゆくはこなたの御指南を請度う御座る」

こう‐こう カウカウ【行行】

〘形動タリ〙
① しだいに進んで行く様子。どこまでも歩いて行くさま。
懐風藻(751)幽棲〈民黒人〉「泉石行々異、風烟処々同」 〔古詩十九首其一
② 鳥が列をなして飛ぶさま。
※南海先生文集(1784)一・丁未中秋与諸子泛明光浦「双双宿鷺依苔磯、行行新雁落蘭沚

ゆき‐ゆ・く【行行】

〘自カ四〙 どんどん行く。行きに行く。
万葉(8C後)一一・二三九五「行々(ゆきゆき)て逢はぬ妹ゆゑひさかたの天の露霜ぬれにけるかも」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「行行」の意味・読み・例文・類語

こう‐こう〔カウカウ〕【行行】

[形動タリ]しだいに進んでいくさま。また、どこまでも歩いていくさま。
「―として重ねて―たり」〈海道記・序〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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