行香(読み)ぎょうごう

精選版 日本国語大辞典 「行香」の意味・読み・例文・類語

ぎょう‐ごう ギャウガウ【行香】

〘名〙 (「ぎょうこう」とも)
① (「行」は配るの意) 法会(ほうえ)の時、参会の僧たちに焼香させるため、香を配ってわたすこと。また、その役目の人。台に香炉と香を載せ、僧の間を回る。朝廷大法会の時には、殿上人(てんじょうびと)がこの役目を務めた。
※九暦‐逸文・天慶二年(939)六月二〇日「行香間諸大夫不足、仍以五位・六位外史等、令西方行香
源氏(1001‐14頃)胡蝶「童べども、御階(みはし)のもとに寄りて花ども奉る。行香の人々とりつぎて閼伽(あか)に加へさせ給ふ」
② 仏を礼拝する儀式として、焼香しながら堂内を回ること。または、堂内を回りながら焼香すること。僧たちが諸堂を巡って焼香したり、役人施主が寺に参詣して焼香したりすること。
正法眼蔵(1231‐53)示庫院文「在家より来たれらん菜果等、いまだきよめずば、洒水して行香し行火してのちに三宝衆僧に奉るべし」 〔白居易‐行香帰詩〕

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デジタル大辞泉 「行香」の意味・読み・例文・類語

ぎょう‐ごう〔ギヤウガウ〕【行香】

《「ぎょうこう」とも》
法会ほうえのとき、参会の僧たちに焼香の香を配り渡すこと。また、その役目の人。
僧が堂内や諸堂を回って、また施主などが寺に参って、焼香すること。

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