(読み)てらう

精選版 日本国語大辞典 「衒」の意味・読み・例文・類語

てら・う てらふ【衒】

〘他ワ五(ハ四)〙
自分で自分をほめて宣伝する。自らを吹聴する。てらさう。てらわす。
※本朝文粋(1060頃)一二・詰眼文〈三善清行〉「進不卿相之舘。衒其才名
② 自分の才能学問などを誇り示す。みせびらかす。ひけらかす。
書紀(720)雄略一三年三月・歌謡山辺の 小島子ゆゑに 人涅羅賦(ひとテラフ) 馬の八匹(やつぎ)は 惜しけくもなし」
信長記(1622)一五下「学道〈略〉君子は理をもって学を説、小人は舌をもって学を衒(テラ)ふ」

てらい てらひ【衒】

〘名〙 (動詞「てらう(衒)」の連用形名詞化)
① ひけらかすこと。
異郷(1973)〈加賀乙彦〉「何のてらいもなく彼はそう思っていた」
② へつらうこと。〔大坂繁花風土記(1814)〕

てらわ・す てらはす【衒】

〘他サ四〙 =てらう(衒)〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
[補注]「霊異記‐中」の「衒売」の「衒」の高野本訓釈「弖良波吉弖」の「吉」が「志」の誤りとすればここの例となる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「衒」の意味・読み・例文・類語

げん【衒】[漢字項目]

[音]ゲン(呉) [訓]てらう
見せびらかす。ひけらかす。てらう。「衒学衒気
難読女衒ぜげん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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