衛元嵩(読み)えいげんすう(英語表記)Wèi Yuán sōng

精選版 日本国語大辞典 「衛元嵩」の意味・読み・例文・類語

えい‐げんすう ヱイ‥【衛元嵩】

中国北周廃仏論者。梁代末期に出家したが、のち還俗し、僧寺を廃することが国の利益となると主張。その上書が契機となり、五七四年、北周の武帝の廃仏が行なわれた。著書に「元包」がある。生没年未詳。

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改訂新版 世界大百科事典 「衛元嵩」の意味・わかりやすい解説

衛元嵩 (えいげんすう)
Wèi Yuán sōng

中国,北周時代の仏教沙汰論者。成都新繁県の人。生没年不明。南朝梁末に出家し亡名に師事したが,のち長安に至り567年(天和2),北周武帝に30余紙の教団粛清案を上呈した。現在の寺院は仏の大慈にもとる曲見伽藍であり,逆に国家こそ仏心にかなう平延寺であるから,国を損ない民を害する寺塔は廃棄すべしと主張,武帝による廃仏(574)の契機となった(三武一宗の法難)。《元包経伝》《斉三教論》などの著作がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「衛元嵩」の意味・わかりやすい解説

衛元嵩
えいげんすう
Wei Yuan-song; Wei Yüan-sung

中国,南北朝時代北周の人。初め僧でのち還俗。天和2 (567) 年道士張賓とともに,武帝に仏教が治国に害があることを説き,廃仏を起させるきっかけをなした。大成1 (579) 年にも『破仏議』6条を奏したが,このときはいれられなかった。

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